中国の宅配業界団体の代表である陳国江氏(ネット写真)

 中国の宅配業界団体の代表である陳国江氏は、労働者の権利を擁護し組織化したとして2月25日に逮捕された。先日、米国にある人権団体の中国人権擁護者(CHRD)は声明を発表し、中国共産党当局に陳氏の即時釈放を求めた。

 CHRDは17日の声明文で、中国共産党当局に対し、陳氏を直ちに無条件で釈放するよう求めるとともに、拘束期間中に陳氏が家族との連絡、家族や家族が依頼した弁護士との面会を認めるよう要求した。また、公民の結社・言論・通信の自由と、労働権益を守るための団結権を確保するよう求めた。

 陳氏の父親によると、陳氏は2月25日に逮捕された後、北京市朝陽区留置場に拘束されたが、家族はまだいかなる部署からの拘束通知書を受け取っていない。陳氏の妹は北京氏朝陽区にある警察署に電話したところ、すでに拘束通知書が郵送されたと言われた。

 陳氏は逮捕される前、中国の食品宅配会社2社が行った報奨金キャンペーンは、詐欺の疑いがあることを告発する動画を投稿した。しかし、外界は陳氏への逮捕がこの事件だけが原因ではないと考えている。

 陳氏は何の法律にも違反しておらず、宅配業界の従業員の権利のために戦っていただけだと言った配達員もいた。また、ある独立系評論家は、中国共産党当局は、労働者が組織を作ることを恐れており、政権の安定を脅かすことを懸念していると述べた。

 中国の労働者の状況に長年関心を寄せている同評論家は、陳氏が逮捕されたのは、労働者のために会社の報奨金企画に異議を唱えたからだけではなく、彼が立ち上げた宅配業界の従業員の互助組織はすでに労働組合の性質を持っており、中国共産党の規制を受けない独立した労働組合は中国共産党が最も恐れているものであると語った。

(翻訳・徳永木里子)