米国、カナダ、英国、欧州連合(EU)は22日、新疆ウイグル自治区の人権問題をめぐり、中国共産党の現・元幹部数名を制裁した。制裁の影響を受け、23日の中国株は全面的に下落し、外国資本の流出は70億人民元を超えた。アナリストによると、欧米からの中国共産党幹部への制裁は、投資家の中国株市場へのリスクに対する心理的な耐える能力を弱めており、更に中国共産党政策の大きな変化が懸念され、外国人投資家は慎重になってきているという。
23日の中国株式市場では、上海総合指数が0.93%、深圳成分指数が1.12%下落するなど、すべての株価指数が下落した。
一方、中国国内のアルミニウムインゴットの価格や、アルミニウム製品の主要企業の株価は急落した。
中国メディアの「券商中国」は23日、外国資本の流入・流出がA株(注)市場の上昇や落下に大きな影響を与えていると報じた。中国国内では、「中国の株式市場は、ちょっとした風当たりにも耐えられないほど脆弱だ」と考えているメディアもある。
ブルームバーグは23日、クレディ・スイスのアナリストは収益成長の鈍化と過大評価により、中国の株式市場の見通しが暗いと報じた。
注:A株(エーかぶ)とは、中華人民共和国(中国)の上海・深圳の株式市場に上場している同国企業を対象とした市場の種別で人民元で取引される。(ウィキペディアより)
(翻訳・徳永木里子)