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 ノルウェーとドイツの医学研究者は、英国のオックスフォード大学とアストラゼネカ社が合同開発した新型コロナウイルス・ワクチン(AZワクチン)が、人体の免疫反応を引き起こし、ワクチン接種者の血管に血栓を引き起こす可能性があることを発見した。

 ノルウェーの英文科学技術ニュースサイト(Sciencenorway.no)の報道によると、ノルウェーの50歳以下の医療関係者3人はAZワクチンを接種後、重度の血栓を発症したため入院し、そのうち1人は死亡した。

 オスロ大学附属病院のポール・アンドレ・ホルム教授は、彼のチームがAZワクチンによる血栓の原因を発見したと述べた。AZワクチンが強い免疫反応を体に引き起こした可能性が高いとされている。

 ホルム氏は「我々は、ワクチンによって引き起こされた体内の強い免疫反応があると考えており、証拠も確認された。北ノルウェー大学病院のこの分野の専門家と協力し、これらの免疫反応を引き起こす特異性の抗血小板抗体を発見した。また、他の医療分野からもこの抗体の存在を知った」と述べた。

 現時点では、AZワクチンのみがこの免疫反応を人体に引き起こすことができるという知見が得られている。

 上記ノルウェーの医療関係者3人は、激しい痛みと、胃や脳などの重要な部分に血栓ができたため入院した。

 欧州医薬品庁安全委員会は18日に記者会見を開き、「AZワクチンは安全で効果的であり、弊害を上回っている。しかし、AZワクチン接種後の血栓は否定できない」と調査結果を発表した。

 台湾の自由時報は最近、ドイツのグライフスヴァルト大学病院のアンドレアス・グレイナッハー教授が、彼のチームが行った調査結果がホルム教授の結果と同じであると発表したことを報じた。

 ノルウェー政府は現在、ホルム医療チームの研究結果を受けて、AZワクチンの接種を当面中止すると決定した。一方、ドイツ政府は、AZワクチンの接種を再開すると発表した。

 台湾中央通訊社の報道によると、デンマークの当局者は20日、AZワクチンを接種した後にさらに2人の医療関係者が血栓や脳出血を起こし、そのうち1人が死亡したとの報告があったという。2人とも血栓の症状が出る前の14日以内にAZワクチンを接種していた。デンマークは11日に、すでにAZワクチンの接種を全面的に中止した。

(翻訳・神谷一真)