(イメージ / Pixabay CC0 1.0)

 米ニュースサイト・Breitbartの20日の報道によると、ワシントンD.C.巡回区控訴裁判所のローレンス・シルバーマン判事は19日、連邦最高裁が1964年に下した『NY・タイムズ対サリバン』事件の判決について、反対する意見書を出しました。その判決は『米民主主義に対する脅威』であると指摘し、米民主主義を守るためにその判決を覆さなければならないと求めました。

 その意見書の中で、シルバーマン判事は報道機関が民主党の支配下になりつつあり、非常に危険だと警鐘を鳴らしました。

 その危険性について、シルバーマン判事は、最も影響力のある3紙のうち「NY・タイムズ」と「ワシントン・ポスト」の2紙は、事実上「民主党の防御壁」であり、WSJのニュース欄も同じ方向に傾いていると指摘しました。

 また、この3紙の方向性は、AP通信や「ロサンゼルス・タイムズ」「マイアミ・ヘラルド」「ボストン・グローブ」などの全米の大半の大手新聞社も追随し、ほとんどの全米テレビ局が民主党の「ラッパ」となっており、さらに政府の支援を受けている「ナショナル・パブリック・ラジオ」でさえそれに従っていると、報道倫理を失い一党に傾くメディアの現状を明かしました。

 このほか、シルバーマン判事はビッグテックがニュースの配信方法を民主党に有利にすることについても懸念を示しました。と同時に、民主党がメディアを抑えつつある状況下であっても、FOXニュース、NYポスト、WSJの社説などにはいくつかの注目すべき例外があると付け加えました。

 観点への差別に基づく報道の危険性について、シルバーマン判事は「観点への差別は良くないことを誘発する。つまり、政府が社会に、ある考えと観点を推し進めることが簡単にできるようになる。そして、メディア・配信方法においても、意識形態を単一化すれば、公衆の一部の考えを抑えることになりかねず、これは政府が情報を統制することと同じことになる」と注意を促しました。

 報道規制の危険性について、シルバーマン判事は「権威主義や独裁主義に陥る可能性のある政権が取る最初のステップは、コミュニケーション、特にニュースの配信をコントロールすることであると心に留めておくべきだ。従って、一党独裁の報道・メディア統制は、民主主義を維持する上で脅威であり、過激派を生み出すこともあると結論づけるのが妥当であろう」と、その危険性を強調しました。

 同時に「憲法修正第1条は、活発な意見交換を促進するために『報道の自由』を保障しているが、偏った報道市場を歪めてしまう。そしてメディアがそのように歪めようとする意欲を証明しているときに、報道機関の力を強化するだけの不当な法的ルールを支持するのは重大な誤りである」と偏向報道を守るべきではないと訴え、連邦最高裁に1964年の『NY・タイムズ対サリバン』案件に下した判決を覆すべきだと求めました。

 連邦最高裁は同案件で、公人の場合、報道された情報が虚偽であるという理由だけでは名誉毀損訴訟は成立しないとの判決を下し、さらに、報道記者や編集者が『現実の悪意』をもって行動し、それが虚偽かどうか、まったく意に介さずに情報を報道したということも原告側が証明しなければならず、証明できなければ、同メディアを州の名誉毀損法に基づいて裁くことができないと裁定しました。

(「新時代news」より転載)