米海軍ミサイル駆逐艦「マスティン」(DDG-89)が2020年8月18日、中国沿岸部に近い台湾海峡を通過した。(イメージ:アメリカ太平洋艦隊Facebook)

 バイデン政権が中国共産党(以下、中共)のあらゆる挑発や探りを受けた後、米中高官は18日に初めて会談を行いました。米国は中共による米サーバーへの攻撃、同盟国への経済脅迫などの行為がグローバル的秩序を破壊すると非難し、台湾、香港、新疆ウイグル自治区への深い関心を示しました。

 台湾大学政治学科名誉教授明居正氏は政治評論番組『新聞大破解』の中で、「現在の情勢からはイギリス、フランス、ドイツをも考慮しなければならなりません。もし中共が台湾を封鎖すれば、米国は『台湾関係法』の第2条第2項目の第3号に、『もし中共が非平和的手段で台湾に手を出す場合、米国は中共との国交を断絶することができる』と書かれています。つまり米中の交流には前提条件があります」と述べました。

 明居正教授は「元米海軍大将ジェイムズ・スタヴリディス氏はかつて、米中戦略にはいくつのレッドラインがあることに言及しました。台湾もその一つです。台湾や台湾離島への攻撃、経済封鎖及び台湾インフラ設備のネット環境への攻撃のすべてが細かくレッドラインに規定されています」と説明しました。

 彼は続けて、「米アントニー・ブリンケン国務長官は最近多くの発言で台湾に言及し、支持を表しました。そしてレッドラインを度々明確にし、台湾が現在米国のレッドラインであることが明らかになっています」と述べました。

 また、中共が台湾を侵略する意図があるかどうかについて、明居正教授は「もちろん、中共には以前からその意図があります。特に習近平氏が就任してから、中国が強くなったと自惚れて、台湾を侵略できる気になっています。成功できるかどうかは別として、少なくとも彼は真剣に計画しています。そのため、中共の意図が強まるにつれて、米国も心配するようになれば、止めに入ります」と述べました。

 同氏は、台湾の対潜水艦戦が近年大きく成長していることにも言及しました。米国はレーダーのほかに、大型魚雷の取引を約束しています。さらに、現在多くの国家が台湾問題に介入しており、米日印豪の4か国会談でそれぞれの国が態度を明確にしたのに続いて、英、仏、独も南シナ海や台湾海峡などの問題に大きな関心を示しました。つまり、台湾は今や注目の的となっています。

 明居正教授によると、中共のますます膨らむ戦略野心と姿勢は、国際政治と構造、さらには国際的価値観への挑戦を顕にしており、欧米諸国は脅威を感じています。中共は陰で悪事を働くことで、ゆっくりと相手国の切り札を侵食しています。今各国が警戒し始めています。台湾海峡、東シナ海、南シナ海、西太平洋はこれから相次いで、焦眉の的になるでしょう。

(翻訳・北条)