香港大学微生物学部の袁国勇教授の研究チームはこのほど、抗ハンセン病薬であるクロファジミンが新型コロナウイルス感染症(武漢肺炎、COVID-19)の治療に使用できることを発見した。経口投与で新型コロナウイルス感染症を治療する薬は世界初である。また、クロファジミンは中東呼吸器症候群(MERS)や重症急性呼吸器症候群(SARS)などのコロナウイルス感染症も抑制できる。
香港メディア「スタンドニュース」によると、袁氏は17日のインタビューで、「現在、新型コロナウイルス感染症を治療するクテル療法はかなり効果的だが、4割の患者が下痢を起こしている。重症の患者を治療するレムデシビルは高価で数が少ないため、9カ月前から彼のチームは化合物データベースに登録されている数万の化合物の中から有効な薬剤を探し始め、最終的にクロファジミンを選別した」と述べた。
袁氏は、現在香港のすべての公立病院はクロファジミンを備えており、安価で副作用も少なく、新型コロナウイルス感染者が重症化する前に服用した場合、つまり入院を必要とせず外来で治療を受けた場合に効果があると指摘した。
「ハムスターを使った実験で、クロファジミンが新型コロナウイルスの繁殖を効果的に抑制し、ウイルスによる肺の損傷や炎症を抑えることができる。これらの発見は人を奮い立たせる。また、クロファジミンは特許薬ではないため、世界中で製造・使用することができ、発展途上国の疫病対策にも期待できる」と同氏が述べた。
(翻訳・徳永木里子)