フランスの首都パリの象徴的な名所となっているエッフェル塔(xiquinhosilva from Cacau, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons)

 フランスの中国研究の学者であるマリー・ホルツマン(Marie Holzman)氏とパトリシア・バット(Patricia Batto)氏は、フランスは中国共産党のヨーロッパにおける「大外宣(対外プロパガンダ)」運動の拠点になってはならないと指摘した。両氏は中国共産党の国営テレビ局傘下にある「中国グローバルテレビジョンネットワーク(CGTN)」を営業許可した、フランスの放送規制機関「視聴覚最高評議会(CSA)」に抗議している。

 両氏は「ル・フィガロ」紙7日付の報道で、「ウイグル人への迫害証拠が事実であるゆえ、米国、カナダ、オランダなどの国は北京が犯した行為を『ジェノサイド』と認定したにもかかわらず、ウイグル人が新疆ウイグル自治区で幸せで安全に暮らしていると主張する北京のプロパガンダを聞く必要があるだろうか。罪のない被害者が手錠をかけられ、ビデオカメラの前で中国の警察から与えられた認罪書を暗誦する姿をテレビで見る必要があるのだろうか」と述べた。

 両氏は「フランスがヨーロッパの最後の良心を滅して北京に協力することを許してはならない。中国のCGTNがフランスで放送することをCSAが絶対に認めてはならない。そしてフランスがヨーロッパで中国共産党のプロパガンダの拠点になることを決して認めてはならない」と強く主張した。

 また、両氏は中国共産党当局が2月12日に英国放送協会(BBC)ワールドニュースを禁止したことを非難している。情報筋によると、BBCは武漢肺炎(新型コロナウイルス感染症、COVID-19)の起源や、新疆の再教育収容所でのウイグル人やカザフ人女性への性的虐待に関するドキュメンタリーを放送した後、BBCの番組は中国で放送禁止になった。

(翻訳・徳永木里子)