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 医学専門家マーク・シーゲル博士は、新型コロナウイルス感染症(武漢肺炎、COVID-19)に対抗する新薬が臨床試験(治験)の第I相試験で良い治療効果を得たと伝えた。

 FOXニュースの報道によると、「モルヌピラビル」という新薬は、米製薬大手メルクと米バイオ医薬品企業リッジバック・バイオセラピューティクス社で共同開発され、すでに第I相試験が完了したと、マーク・シーゲル博士が伝えた。治験結果から見ると、同新薬は感染者体内の新型コロナウイルスの数量を減らすのに有効である。

 182人の新型コロナウイルスに感染した志願者が1日2回、計5日間同新薬を服用した後、いずれも体内からウイルスが検出されなくなった。一方で、薬としての有効成分が入っていない偽薬(プラセボ)を服用した対照群の患者では、24%にウイルスが検出されたという結果になった。

 他の薬剤が新型コロナウイルス表面のスパイクタンパク質を標的とするのに対し、同新薬のもう一つの特徴は、ヒトの細胞内でのウイルス複製過程を阻害することである。

 報道によると、同新薬は自宅で5日間のコースで服用することができる。インフルエンザウイルスに効く抗ウイルス薬タミフルと同じように、ウイルスが体内の細胞で複製され破壊的になる前に防ぐことができ、治療の目的を果たす。

 シーゲル博士は「同新薬は早ければ4、5カ月以内にリリースされる。現在182人の感染者のみ試したが、良い効果が顕れており、新型コロナウイルス感染症の特効薬として期待できる」と述べた。

 ドイツメディアは昨年末、「モルヌピラビル」の動物実験において新型コロナウイルスに対する驚くべき活性を報道した。実験用のフェレットが投薬されて24時間で感染力を失った。「モルヌピラビル」はインフルエンザに対抗するために研究開発されたが、その作用メカニズムはすでに新型コロナウイルス治療薬として使用される「レムデシビル 」と同じく、ウイルスのリボ核酸(RNA)に変異を起こしてウイルスの増殖を阻止することができる。

(翻訳・北条)