中国共産党は、高給取りの誘惑での裏切り、内部者への賄賂、ハッキングなどの戦術を用いて、韓国の電子機器や造船、軍事などの産業を技術盗用の標的にしている。ボイス・オブ・アメリカ3日の報道では、中国企業による韓国の半導体や表示パネルなどの電子技術産業に対する窃盗行為が横行しているという。
韓国の半導体企業に勤務し、韓国と中国を頻繁に行き来するAさんは、中国企業は「基本的に年俸は韓国の2倍」で2年契約を結び、社宅と保険を完備してくれるという。韓国の技術者は一般的に8000万~9000万ウォン(約850万円)、つまり50万元(約830万円)が支給されているが、中国は100万元(約1660万円)の雇用条件を提供している。
2年間契約を結ぶ理由は、技術にはモデルチェンジの問題があるため、2年後にはすでに中国人が韓国人から技術をほぼ習得しており、有用なものを搾り取ってから韓国人を必要としなくなるという。
韓国相明大学の情報セキュリティ工学部の朴元衡教授は「ヘッドハンティングは問題の最も表面的な部分に過ぎず、企業内部の人員を買収して技術を売買するケースが多い」と述べた。
メディアの報道によると、今年1月末、SKハイニックス社とサムスン電子の子会社の関係者17人が、メモリチップの国家コア技術を中国のライバルに流出させた疑いで、韓国検察側と国家情報院に起訴された。2月初め、サムスンディスプレイの研究員2人が、サムスンディスプレイの世界初のOLEDパネルの技術を中国に販売しようとしたため、韓国裁判所に懲役2年の実刑判決が言い渡された。
しかし、朴氏はハッカーの攻撃で技術を盗む行為が一番心配だと考えている。
朴氏は、中国ハッカーは弱い部分を探して攻撃するのが得意で、最も一般的な手法はネット検索エンジンを通じて企業のクローズド監視システムの脆弱性を見つけ出し、研究機関や生産施設などの重要な場所を監視して機密を盗み出していると述べた。
朴氏によると、大企業のセキュリティ対策の弱い部門が攻撃の対象になっているという。サムスン電子のロシアとイタリアのカスタマーサービスセンターが、同様の手口でハッカーの攻撃を受けた。
「報告書から提供された悪意のあるコードから見れば、大体中国ハッカーの仕業と推定できる。しかし、なぜ重要ではないカスタマーセンターを攻撃するのか?彼らの意図はセキュリティ対策の弱い部分を先に突破して内部に侵入し、それからセキュリティの強い本部を攻撃することに狙いを定めている。これは中国のハッカーがよく使う手口である」
朴氏は、金銭的な賄賂やハッカー攻撃がいずれも中国政府によって行われていると考えている。昨年9月、韓国科学技術院の教授が、無人運転の技術を中国の大学に提供した疑いで、韓国政府に起訴された。同教授は、世界トップ50に入る韓国科学技術院と重慶理工大学の国際教育協力プロジェクトを担当していた。調査によると、同教授は中国の「千人計画」に関与し、中国政府からの追加資金を受け取っていた可能性があることが明らかになった。
朴氏は、ハッカーは中国共産党政府に雇われ、人民解放軍に所属しており、中国共産党は技術を盗むことを決して止めないであろうと述べた。「彼らはより秘密的で、発見されにくい手口を使うだろう。例えば、暗号化された貨幣を使って技術を売買し、より多くのハッカー攻撃を行うなど、彼らの手口はより巧みになるだろう」
(翻訳・藍彧)