中国のニュースサイトの観察者網は、中国国務院が2月24日に発表した『全国総合立体交通網計画概要』で、「京津冀、粤港澳(注)」に交通主軸配置を計画しており、2035年に道路建設を台北まで延ばすと宣言したことを報じた。
同記事の見出しは「インフラ建設のプロであり、道路を台湾まで建設することに真剣だ」と宣言し、関連計画は10数年にわたって計画し続けてきたという。
ニュースが流れた後、ネットユーザーから皮肉ったコメントが相次いでいた。「月までのエレベーターを作る計画があってもおかしくない」「私もよく日本やフィリピン行きの鉄道があると幻想している」「ただのプロパガンダだ」
台湾の三立新聞台は、北京当局の「台湾計画」は今回が初めてではなく、過去には『369海峡鉄道網』や『中長期鉄道網計画(2008年調整)』、『第12次5カ年計画概要』なども台北市をいわゆる「中国交通計画の中枢」に組み入れたが、いずれも実現できなかったと報じた。
民進党の王定宇立法委員は1日に自由時報のインタビューで、「中国共産党の道路網を台湾まで延長するという幻想は、すでにニュースではなく、かつて2010年に高架橋や海底トンネルを台湾に接続することを提案していた。2011年に中国の実業家陳光標氏が台湾に来た際にも、中国の高速鉄道が台湾に到達するだろうと吹聴していた」と述べた。
王氏は中国共産党に井の中の蛙にならないよう呼び掛けた。「道路や鉄道が延びたところが同じ国と見なされれば、イギリスやフランスからトルコまで延びるヨーロッパの交通網も同じ国なのでしょうか」
注:「京津冀」とは、それぞれ「京」は北京市、「津」は天津市、そして「冀」は河北省の略称で、中国首都圏における三大行政区のことだ。 粤港澳は、広東、香港、マカオを指す。
(看中国記者・明思/翻訳・徳永木里子)