トランプ前政権は、中国共産党による新疆ウイグル自治区での人権侵害や強制労働を制裁するため、1月から新疆地方からの綿花などの輸入を禁止し、世界のアパレル業界に大きな影響を与えた。
ワシントン・ポスト22日の報道によると、先月、中国の綿糸メーカーである新疆華孚ファッション株式会社(Huafu Fashion Co.)は深セン証券取引所の記録用文書で、「複数の米国ブランドが注文をキャンセルした」と投資家に警告を発した。同社は2020年、少なくとも5,430万ドル(約57億円)の損失を計上したが、2019年の純利益は6,250万ドル(約66億円)であった。同社は制裁の影響を公に認めた数少ないサプライヤーの一つである。
1月13日、トランプ前政権は中国全体綿花生産量の87%に相当する新疆ウイグル自治区から、綿花輸入を禁止したことで世界数千の企業に影響を及ぼした。新疆ウイグル自治区のみで世界の綿花供給量の5分の1を生産している。
米国税関(CBP)は禁止令に基づき、中国から直接米国に入ってくる製品であれ、他国から輸入された製品であれ、新疆の原材料を使用していると疑われる製品の輸入を禁止することができる。ワシントン・ポストへの声明の中で、「米国企業は『知らない』という理由で中国産の綿花を輸入してはいけない」と述べた。貿易界に「サプライチェーンを確認しなければならない」という明確なメッセージを伝えている。
米国の制裁措置により、世界中のファッションブランドが中国から相次いで撤退し始めた。米国、英国、オーストラリア、日本などの企業も新疆の綿花とその他の製品に対して輸入制限を実施している。これらすべてが、中国の数十億ドル規模のアパレルサプライチェーンの崩壊につながる可能性がある。
アメリカン・アパレル・フットウェア協会(AAFA)のネイト・ハーマン氏(ポリシー担当シニア・バイス・プレジデント)は、「米国の各ファッションブランドがサプライチェーンから新疆の綿花を排除することに努めている。新型コロナウイルスの影響により作業が遅れているが、目標に近づいている」と述べた。
例えば、パタゴニアは昨年7月に「新疆地域から積極的に撤退している」と発表し、オールド・ネイビー(Old Navy)やバナナ・リパブリック(Banana Republic)などのファッションブランドを所有するギャップ(Gap)は、サプライヤーが直接または間接的に新疆から製品や部品、素材を調達することを禁止していると明らかにした。
スウェーデンのブランド「イケア(Ikea)」は、米国の税関の禁止令が出た後、「新疆の綿を含むすべての商品を米国に輸送することを停止した」と述べた。イケアとH&Mのサプライヤーは新疆から新綿の仕入れを停止したという。
ナイキ(Nike)は、サプライヤーが新疆の織物や素材を使用していないことを確認したという。
(翻訳・藍彧)
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