中国東北地方の人口減少問題に対し、中国国家衛生健康委員会はこのほど、産児制限の撤廃を検討すると発表した。すぐに民間で話題を呼んだ。
中国の人口は激減し始めている
中国の出生人口は減少し続けており、2020年には中国の高齢化問題が日増しに顕著になり、経済、人口動態、就職などの問題をもたらしている。東北三省は高齢化が全国に先駆けて進んでおり、出産率が3割以上も急落している地域もあった。
2010年の国勢調査のデータによると、、遼寧省、吉林省、黒竜江省の出産率はそれぞれ0.74、0.76、0.75であり、東北三省の女性1人当たりの出産律は平均して1人以下であり、全国の大部分の省級行政区より低いという。
人口・少子化問題を長期的に研究している専門家の何亜福氏によると、東北三省の人口はいずれも減少し始めているという。
2018年、全国31の省の居住人口のうち、4つの省だけが減少し、北京を除けば東北部の3つの省であった。2014年から2019年にかけて、黒竜江省の人口は81.7万人、吉林省の人口は61.6万人、遼寧省の人口は39.7万人減少した。
一方、東北三省の高齢化率は全国平均を上回っており、すでに年金保険基金では賄えない状況になっている。
「産児制限」を撤廃して東北の人口問題を解決?民間で話題に
国家衛生健康委員会は18日、黒竜江、遼寧、吉林3省などの東北地方で先行して産児制限の撤廃を検討すると発表した。
関連ニュースが出ると、すぐに民間で話題となり、多くのネットユーザーが不満を表明した。
「一人っ子政策が最もうまく行っている地域は、今は子供を産ませられるなんて、ひどい」
「東北地方の人口減少は産児制限で減っているのか?2人目を生む人もいないのに、3人目、4人目なんて産むわけがないだろう」
「30年前、東北地方では一人っ子政策が最も厳しく実施された地域であり、国家の命令で産んではいけないと言われたが、東北地方の若者はみんな他の地方に行っており、今、子供を産めと言われても、できるわけがない」
「東北地方の給料がこんなに低いのに、どうやって出産率を上げるのか?」
人口減少は今後数十年続く
北京大学の梁建章教授は2月1日に発表した記事の中で、2020年、中国の多くの地域の最新人口データによると、全国の出生率が下がり始めており、一部の地域では32%も急落していると指摘した。将来、年間新生児数が1000万人以下に減少し、出生率を大幅に上げなければ、この減少は止まらないであろう。
専門家の分析によると、現在中国が低出生率になっている主な原因は、中国の不動産価格と教育費用が高すぎるからだという。子育てのコストが非常に高いため、若者の出産意欲が低下してしまっている。
(看中国記者・黎小葵/翻訳・藍彧)
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