中国共産党政権に抑留されているカナダ人の元外交官マイケル・コブリグ氏と実業家マイケル・スペーバー氏(マイケル・コブリグ氏のツイッターより、Daehanmindecline, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons)

 2月15日、カナダが主導した58カ国が「人質外交に反対する連盟」を結成し、政治目的で外国人を任意に拘束する行為を非難する新たな国際宣言を発表した。非難の対象は明示されていないが、中国共産党政権は敏感に反応した。

 「国家間おける恣意的な拘束に反対する宣言」というのは、2018年末ファーウェイの副社長孟晩舟がカナダで逮捕されたことへの仕返しに、カナダ人の元外交官マイケル・コブリグ氏と実業家マイケル・スペーバー氏両氏が798日間、中国共産党政権に抑留されていたことを受けて発表された。

 宣言文ではどの国にも言及していないが、中国共産党政権機関紙である環球時報は、「匿名の専門家」の言葉を引用して、人質外交の中止は中国共産党に対する「挑発的で拙い攻撃だ」と非難し、継続すれば否定的な影響を及ぼすと表した。

 アメリカに基盤を持つ国際的な人権NGO「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」の代表ケネス・ロス氏は同日、「北京政府は人質外交において驚くべき役割を果たし、カナダ人のマイケル・コブリグ氏とマイケル・スペーバー氏に対する拘留がその卑劣なやり方を表している」と述べた。また、オーストラリア公民に対して同様の政策を取ったという。

 英国のミニク・ラーブ外相は声明で、「カナダが主導した『国家間の関係における恣意的な拘束に反対する宣言』は、容認できない行動に反対する同志を集める国際リーダーシップを果たす重要な瞬間だ」と述べた。

 ブリンカン米国務長官は、米国は同宣言を「全面的に支持する」と述べ、価値観と目標が一致するすべての 国がともに努め、恣意的な拘束を行う国に対し、拘留されている人々を釈放させ、法治と人権を尊重させるように呼びかけた。

(翻訳・柳生和樹)

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