(Pixabay CC0 1.0)

 ミャンマーメディアによると、ミャンマー当局は14日から28日にかけて再びネットワーク切断を実施するという。ボイス・オブ・アメリカは、ミャンマーの最大都市であるヤンゴンのサイバーセキュリティ専門家の話を引用し、ネットワークファイアウォールを構築するために、中国がミャンマー軍に必要な技術支援を提供しており、中国のIT技術者やハードウェア設備が現地に到着していると報じた。後ほど、これらのファイアウォール設備はミャンマーのネットワーク事業者や通信事業者に送られる。

 また、ツイッターやフェイスブックでは、ミャンマーに着陸した中国便から関連する技術機材が搬出されたという噂が流れている。

 これに対し、在ミャンマー中国大使館は13日、ミャンマー中国企業商会の声明文を添付し、上述した中国便は定期輸出入品の運搬便だとした。外務省の汪文斌報道官は関連情報は事実ではないと否定した。

 注目すべきなのは、ほぼ同時期に、ミャンマー軍がサイバーセキュリティ法案を制定した。ロイター通信が入手した副本によると、同法案はネット事業者に「憎悪を引き起こし、団結と調和を損なう」と見なされたコンテンツの拡散防止や削除を求めるとともに、「不実なニュースやデマ」及び「ミャンマー文化に不適切な内容」についても言及した。

 中国の監視技術がグローバル化

 ワシントンD.C.に拠点を置くシンクタンク、ブルッキングス研究所東アジア政策研究センターで客員上級研究員を務めるシーナ・チェスナット・グリテンス氏は昨年4月、公開されている情報を整理した結果、2008年以降、少なくとも80カ国が中国の監視・公共安全技術を採用しており、その数は過去5年間で大幅に増加していることを明らかにした報告書を発表した。

 また、これらの技術は、中央アジア、南アジア、東南アジア、中東、南米大陸の大多数の国とアフリカ、ヨーロッパの一部の国で使われていると報告されている。

 CNN(米国の有線テレビ新聞網)記者のジェームズ・グリフィス氏は著書『The Great Firewall of China: How to Build and Control an Alternative Version of the Internet (意訳、中国のグレート・ファイアウォール:中国はどのようにインターネットをコントロールしているのか)』の中で、中国のインターネットモデルは国境を越えており、北京検閲当局はロシアやウガンダなどの国において、インターネット監視システムの構築やネット上における異議の声への弾圧に積極的に協力していると記した。

 ニューヨークタイムズ紙が2019年に発表した長編報道によると、エクアドル政府が中国企業2社の監視システムを採用し、全国の数千台のカメラをリアルタイムで監視していることが明らかになった。同マスコミの調査では、反体制派も監視されていることが判明した。

 ブルームバーグが同年発表した報道によると、アフリカの新興民主主義国家ザンビアでは、ファーウェイが現地初の国家データセンターの構築を主導し、ファーウェイと中興通訊(ZTE)はザンビア政府にサイバー監視・遮蔽装置を提供したとしている。報道では、中国共産党は欧米以外で別の情報陣営を作ろうとしていることを示唆した。

 米プリンストン・チャイナ・ソサエティの陳奎徳執行委員長は、中国共産党がこれを利用してグローバルの権威主義的な体制を固め、一部の国家を西洋の民主国家に対抗する力にしようとしていると述べた。

(翻訳・藍彧)

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