人権を擁護する言論の動画をインターネットに投稿したとして、2月14日に警察に連行され、現在行方不明となっている張盼成氏(中国語の維権ネットより)

 刑務所から出所して9ヶ月弱、中国甘粛省出身・元北京大学の警備員だった張盼成氏は、人権を擁護する言論の動画をインターネットに投稿したとして、2月14日に警察に連行され、現在行方不明となっている。

 ネット上に出回っている動画の中で、張氏は「張展さんを釈放しろ、同郷人の張展さんを釈放しろ。習近平、あなたの同郷人張展さんを釈放しろ。暴君は剣と棍棒で我々を裁いていおり、火を恐れるように自由を恐れている。我々が一旦自由を手に入れたら、彼は自分の王座を失い、報復されることを恐れているのだ。仲間よ、胸を張れ、悔しがることはない。この鎖は我々の誇りの勲章だ」 と述べた。

 甘粛省の小さな山村の自宅で撮影された動画の中で、張氏は「厳冬が終わり、春がもうすぐやってくる」と熱く語っていた。また、書道の文字を見せながら「これは張展さんのために書いたものだ。今日も、張展さんを釈放しろ、私の同郷人の張展さんを釈放しろと呼びかけ続ける」と語った。

 「私の親戚たちは何も(刑務所に)送ってくれないだろう。彼らに、私は精神的に病んでいると思われている。実際には、病んでいるのは毒を持っているこの国と自称国民に奉仕している人たちだ」

 甘粛省の農村部に生まれた張氏は、2018年に公民としての意志表示をした。北京大学の警備職を辞めた後、民主主義のために「犠牲になる覚悟はできている」と政治的な主張を語る動画を作成し始めた。

 張氏は逮捕される前の動画の中で、「中国共産党政権による600億米ドルを法的手続きなしに(海外の)人に送ったことに反対する。言論の自由を求めながら、強制収容所に投獄された新疆ウイグル自治区の数百万人の同胞、失踪された少女董瑶瓊さん、華湧さん、佳士労働者、元北京大学の学生である岳昕さんなどを応援することを決して忘れない」と表明した。

 彼は2018年11月に逮捕・拘留され、同年12月18日、「騒乱挑発罪( 中国の体制批判を行った人物に対してよく用いられる罪名) 」の疑いで北京警察に逮捕された。2020年2月21日、張盼成事件は北京西城区の裁判所で審理され、同年4月4日の初審では「騒乱挑発罪」で1年6ヶ月の判決が言い渡された。張盼成氏は2020年5月20日に刑期を終え、釈放された。

(翻訳・藍彧)

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