中国テック大手テンセント(騰訊)(Lhzss8, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons)

 近年、ケンブリッジ大学をはじめとするイギリスの大学や英国放送協会(BBC)は、頻繁に中国テック大手テンセント(騰訊)から資金の援助や協力を受けていることが明らかになった。英情報機関は中国共産党によるイギリスの大学への影響について調査を進めている。

 世界最大のゲームプロバイダーである中国のテンセントは、中国共産党とのつながりが深いとされている。2020年12月、元CIA(中央情報局)高官が「フォーリン・ポリシー(Foreign Policy)」誌に語ったところによると、テンセントは設立時に中国共産党の国家安全保障部(MSS)から資金提供を受けており、グレート・ファイアウォール(Great Firewall)や監視技術を構築しようとしていたという。

 中国のテック大手企業テンセントはケンブリッジ大学の研究プロジェクトに資金提供したと、英タイムズ紙が10日に報じた。

 ロンドン・ブライトバート・ニュースによると、ケンブリッジ大学のジーザス・コレッジは、ファーウェイ(華為)からの共同研究資金15.5万ポンド(約2252万円)、「英中グローバル会話センター」設立のために中国国務院から 20万ポンド(約2905万円)を受け取ったとも伝えられている。 

 最近では、英国の公的資金で運営されている放送局BBCも、中国共産党の影響が浸透している。英テレグラフ紙は10日、テンセントがBBCの人気番組の一部を共同制作する契約を結んだと報じた。

 また、オックスフォード大学が8日、テンセント社からの70万ポンド(約1億170万円)のスポンサーシップと引き換えに、120年の歴史を持つワイクハム(Wykeham)という教授職を「テンセント・ワイクハム(Tencent-Wykeham)教授職」に改名したことも報じられた。

 テンセントが英国の大学に多額な資金提供を繰り返していることで、英国当局は中国当局の浸透を懸念して大学に対する精査を進めている。

 ブライトバート・ニュース8日の報道によると、英秘密情報部(MI6)は、英国内のいくつの名門大学が中国の兵器メーカーと協力しているとし、調査を進めている。

 当該調査では、サイバー兵器やミサイル設計、航空機技術などの技術を中国当局に移転したとして、約200人の学者が調査を受けているという。

(看中国記者・成容/翻訳・玉竹)

==看中国(Vision Times Japan)の許可を得ることなく、記事や写真、イラスト、動画等のコンテンツを複製、配布、送信、転載することはできません。==