米海軍空母打撃群(パブリック・ドメイン)

 米大統領バイデン氏が就任した3日目、中国軍は23日と24日立て続けに軍機を台湾に派遣し威嚇した。これほど大規模な侵入は珍しい。その後、セオドア・ルーズベルト航行母艦をはじめとする米国空母軍が中国南シナ海に進出し警告を示した。現在の情勢について、「天鈞政経」の研究員陸修遠氏は、中国共産党(以下・中共)がバイデン氏を試している表れだと述べた。

 中華民国国防省は23日に、13機の中国軍機戦闘機が同時に台湾西南防空識別区に入り、その規模が尋常ではなかったと発表した。24日、中国軍は15機の戦闘機を同区域に侵入させた。台湾空軍は巡回機で対応し、防空ミサイルシステムで追跡した。

 「天鈞政経」の陸修遠氏は、「23日、24日の中国軍機の種類と機数から見れば、中台の戦争が危機一髪の所まで来てるように感じてしまうかもしれない。しかし、インド地区の状況を見てみれば、中共のホントの意図が読み取れる」と述べた。

 まず、インドメディア1月22日の報道によると、インド軍と中国軍が再び国境で衝突し、4名のインド兵と20名中共軍が負傷した。

 23日、24日中国軍機が相次いで台湾を威嚇したが、台湾海峡のラインは超えておらず、昨年9月18日の行動とは比べ物にならないと、陸修遠氏は指摘した。

 24日、米国務院の公開声明によると、米国は中国が絶えず台湾を含めて隣国を威嚇していることに注目しており、中共が台湾に対する軍事、外交及び経済の弾圧を止めるよう督促している。また、米国の台湾への承諾は不変であり、台湾海峡と全地域の平和と安定に努めると再び強調した。

 これと同時に、米国のインド太平洋司令部の情報によると、米セオドア・ルーズベルト航行母艦が西太平洋で日本海上自衛隊と連合訓練を実施した後、南シナ海に入り、「開放的で自由な」航行任務を実行しているとのこと。

 セオドア・ルーズベルト航行母艦のエリック艦長は「私たちの行動は地域の安全と安定の保障を代表している」と述べている。

 25日、米空軍はU2偵察機とEP3E電子偵察機を派遣してバシー海峡を通過させた。これは明らかに中共軍への反撃を意味している。

 以上の状況を踏まえて、陸修遠氏は「北京当局の一連の行動はバイデン氏がトランプ政権が締結した『インド太平洋戦略』を執行或いは維持するかを探ることが目的で、台湾への宣戦布告ではない。中共が地域性の戦争を始める前に周辺大多数の国家と友好関係を保たなければならない」と分析した。

 そして、「バイデン氏は台湾海峡における立場をすでに表明しているが、中共がバイデン政権のデッドラインを探るために台湾への慣例的な威嚇行為をやめることはない」と述べた。

(看中国記者・明思/翻訳・北条)

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