コロナウイルスの模式図(イメージ:Wikimedia Commons/https://www.scientificanimations.com CC BY-SA 4.0

 バイデン大統領は1月26日、新型コロナウイルス(中共ウイルス、SARS-CoV-2)に言及する際に、政府の文書で「中国ウイルス」と「武漢肺炎」という用語を使用することを禁止する行政命令を発表した。同命令は、連邦政府機構、公衆衛生に関する文書や資源に適用される。

 これまで、トランプ前大統領は新型コロナウイルスを「中国ウイルス」と呼んでいた。他の保守派の人々は、疫病の発生源が中国共産党政府の武漢実験室であったため、「武漢肺炎」と呼ぶべきだと考えている。トランプ政権は、世界的な新型コロナウイルスのパンデミックを中国(共産党)のせいにしている。

 バイデン氏が発表した文書によると、「連邦政府は、発生源の地理的位置から新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックへの言及を含め、政治指導者の行動を通じて、敵外感情を促進する役割を果たしていることを認識しなければならない。これらの発言は、根拠のない恐怖を煽り、アジア系や太平洋島民(AAPI)のアメリカ人に対するいじめ、嫌がらせ、憎悪犯罪を助長してきた」と述べた。

 トランプ大統領(当時)のメモをクローズアップしてみると、2020年3月にホワイトハウスの記者会見で行われたブリーフィングで、「コロナウイルス」の説明から「コロナ」が消され、「中国」に置き換えてウイルスを記述していることが明らかになった。

 2020年春、世界中でパンデミックした疫病は当初「武漢肺炎」と総称されていた。そして、WHOはこの新型の冠状ウイルスの病気を「武漢肺炎」とは呼べないと主張し、「COVID-19」と改めて命名したと声明を発表した。

 中国共産党政権は「武漢肺炎」という名称は地域差別があると主張した。しかし、これが単なる発生源を示しているだけだという反対者もいた。以前は、スペインかぜ、ストックホルム症候群、エボラウイルス、マールブルグ出血熱、ライム病など、多くの伝染病や病気に地名がつけられた歴史があった。

(翻訳・藍彧)

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