トリビューン・インディア紙は、習近平氏が中国共産党総書記に就任して以来、主に安全感の欠如が原因で100万人以上を粛清したと分析した、デンマーク駐在の元インド大使ヨゲシュ・グプタ氏の評論を掲載した。
グプタ氏は記事の中で、中国軍は現在、習近平氏自身の指揮下にあり、もはや中国共産党の指揮下ではないと主張している。習近平氏は、政治、経済、軍事、外交、インターネット、環境など、ほぼすべての分野で意思決定者の役割を果たしている。
それ以前に、習近平氏は中国共産党のトップリーダーとしての任期期間を無期限にし、無制限の権力を得て、毛沢東氏と同じように党の憲法に習近平思想を書き込み、中国共産党の「核心」となったのである。 多くの評論家は、習近平氏の支配下で、中国は一党制から一人制に移行したと考えている。
新疆ウイグル自治区の「強制収容所」に何百万ものウイグル人が拘禁されているのに、なぜ習近平氏はまだ安心できないのか。
カリフォルニア大学バークレー校ジャーナリズム大学院の元学部長であるオービル・シェル氏をはじめ、一部の中国専門家は、政党としての中国共産党自体が十分な安全性を感じておらず、特に毛沢東氏や習近平氏のような指導者の場合はその傾向が強いと主張している。 中国共産党指導者が党の「歴史的な責任」、中国人や外国人に対して多くの過ちを犯してきたことを自覚しているからである。
例えば、1960~70年代の「大躍進」や「文化大革命」の時には、約6000万人の中国人が亡くなった。 当時、毛沢東氏は集団化という奇想天外な発想の実践を利用し、反対派や批判派を粛清していた。同様に、1989年に鄧小平氏が天安門広場で民主化デモ隊に銃撃を命じ、何千人もの人々を殺害した。
同様に、習近平氏は安全感がさらに低い。習近平氏は毛沢東や鄧小平と異なり、民間、党内や軍部でも草の根の支持がなく、制度的に権力を強化する必要がある。 2012年に習近平氏が政権を握って以来、約150万人の人々が、公正な法的裁判を受けることなく、政治的な理由で判決を受け、投獄されたり、罷免されたり、死亡したりしている。
「反汚職」活動やその他の粛清で、多くの政敵を作ってきた習近平氏は、いつ、どこで、どのようにして政敵が陰謀を企てるのか分からなくなっている。毛沢東氏(暗殺未遂に遭った)と同じように中国共産党内部の政敵が隙を狙っている。 そのため、習近平氏は常に警戒して反対勢力を排除しなければならない。
コアパワーが一人に集中することで、中国共産党の政策ミスや誤審の可能性が高まっている。 2020年1月に北京当局が武漢肺炎(新型コロナウイルス感染症、COVID-19)の発生に対して誤った決定が、世界に計り知れない災害をもたらしたことは明らかである。
(看中国記者・狄源徳/翻訳・徳永木里子)
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