中国で武漢肺炎(新型コロナウイルス感染症,COVID-19)の感染が広がる中、試験的な『”仮設式”臨時救急医療場所の設計ガイドライン』と仮設病院の最新設計図が公式発表されたことを受け、外部の注目を集めた。
中国のWeChat公式アカウント「筑医台情報」によると、最近、山東省住宅都市農村開発局と省保健福祉委員会は『”仮設式”臨時救急医療場所の設計ガイドライン』を制定した。各地で集団感染などが発生した場合に、大規模な感染者の集中治療のために迅速に建設できる仮設病院で、集中治療の問題を解決する狙いだ。
昨年からの中国での武漢肺炎の流行により、武漢とその他感染が拡大した地域は、大規模な公共の場所を利用して仮設病院を建てた。しかし、今回、山東省が公開したこの『ガイドライン』の新しい設計図は、一代目の仮設病院と異なっている部分がある。「仮設病院2.0」は検査エリア、待合室、付属設備、患者治療ゾーン、看護作業エリア、出口消毒・梱包エリア、病院外汚染ゾーン、清掃エリア、消毒済み出口室、医療・介護居住エリア、資材保存室などが含まれている。
また、同『ガイドライン』には新型仮設病院の3Dモックアップが添付されており、徴用される大型公共施設については、「主要な要塞化区分や耐用年数10年以内の大空間建築物を優先する」との要件がある。地震や台風、洪水などの災害を受けた建物は、原則として選定されないとしている。
仮設病院はもともと米国に起源し、米陸軍は1960年代、ベトナム戦争のニーズに適応するために、率先的仮設病院の研究と応用に取り組んだ。武漢肺炎が感染拡大した後、中国でも米国をまねて、大量ないわゆる「仮設病院」を建築した。建設当初、中国共産党政権には政治的な必要性があると憶測されていた。
その後、当局は仮設病院の医療・介護スタッフの「入党宣誓」を行い、新入感染者が率先して赤い歌(中国共産党を謳歌する歌)を歌うことを要求した。また、「仮設病院は設備が悪く、医療・医薬品が不足しており、衛生状態が非常に悪い」という噂が広まった後、中国共産党は『仮設病院はなんて不思議』という歌を公式に宣伝し、国民を洗脳した。今回、バージョンアップした仮設病院への疑念を抱かずにはいられない。
一部のネットユーザーは「14億人もの中国人がいれば、亡くなった人数は誰も死んでいないに等しいのでは? 仮設病院2.0の建設を急ぐ必要があるか?」と揶揄した。
「残念ながら、これはまだ共産主義のイデオロギーの産物である。感染された地域のコミュニティを見ることができないので、ウイルスを持ったすべての人々が一緒に暮らすのは、症状の程度、ウイルスの数、抗体があるかどうかに関係なく、最も重要なのは完治できたかどうかを区別していない。つまり、回復しかけている感染者を隔離するという概念が設計にないことを垣間見ることができる」とコメントした人もいる。
(看中国記者・黎小葵/翻訳・北条)