2019年10月1日、香港のデモ(写真撮影:看中国/龐大衛)

 香港警察6日の朝、「国家安保法(国安保)」違反の疑いで昨年民主派予備選挙に参加した53人を逮捕し、3つの報道機関に関連情報の引き渡しを求めた。民主派は同日午後、記者会見を開き、香港政府が基本法で守られている香港人の選挙権を尊重せず、世論と対峙していることを批判した。

 警察は6日午後の記者会見で、「香港特別行政区が法に基づく機能を遂行するのに重大な妨害、破壊を行った」とし、国家安全保障法第22条3項に違反した容疑で53人が逮捕されたと説明した。

 警察の記者会見後、97年以降最大規模の民主派逮捕を受けて、公民党の梁家傑委員長、民主党の羅健熙委員長をはじめとする民主党の代表者と無所属の区議会議員数名が記者会見を行った。

 羅健熙氏によると、これまでに民主党関係者7人が逮捕されており、まだ保釈されていないという。彼は政府の無差別逮捕は、香港政権があらゆる面で世論に対峙し、社会にホワイト恐怖を生み出していると批判した。「香港の人々が意見を述べるとき、区議会選挙であろうが、小選挙区であろうが、さまざまな手段であろうが、政府は耳を貸さず、報復することを選択した。今日の国安法はゆくゆく万能の法律になりつつある。街頭で国安法で警告され、白紙を持ち出しても国安法違反で訴えられ、スローガンを唱えても国安法違反で訴えられ、小選挙区をやっても国安法違反と言われてしまい、国安法が万能キーになった後、私たちが面しているのはホワイト恐怖だ。」

 彼は「予備選挙は非常に合理的で正常であり、絶対に不正行為はない。一次選挙でも強制的に中傷でき、国家の安全保障に危険をもたらすと捏造できるのなら、この国家の安全保障は非常に脆弱である。香港人は団結してお互いを支え合い、暗闇の中で粘り強く頑張り続けることが何よりも大切である」と強調した。

 公民党の梁家傑委員長は、政府がどんなに誹謗中傷しても、予備選挙は60万人が投票したことに変わりはないと強調した。香港当局は人権条約や憲法で守られている選挙権を尊重していないと批判した。

 また、香港警察が民主党関係者の情報を入手するため、複数の報道機関に「資料提出命令」を出していた。これに対し、記者協会は声明で、当該事件に注目しており、報道機関の内部資料にまで及んで追求するのは、メディア職者へ実質的及び心理的脅威となり、自己検閲やレッドライン忖度などの問題悪化に拍車をかけていると述べた。

(翻訳・北条)