中国共産党の農業部長(農相と相当する)唐仁建氏はこのほど、メディアに対し、種子と耕地が食料安全保障の二大要素であり、中国人が主に中国産の穀物を食べるようにし、中国産の穀物は主に中国産の種子を使って生産する必要があると語った。
昨年12月2日に就任した唐仁建農相は1月3日、公式メディア新華社との独占インタビューで、2021年の経済の重要課題である食料安全保障には、種子と耕地という2つの大きな要素があると述べた。
今後5年間、安定した食糧生産を維持することは、2021年から2025年までの経済的・政治的な主要目標であると、唐氏は述べた。「中国人が中国産の穀物と中国産の種子を主に使用するよう確保すべきだ」。
食糧生産が共産党政権の安定に影響を与えていることは、唐氏の発話からも容易に見て取れ、現在中国が直面している食糧危機がすでに深刻であることを示している。
中国共産党政権が誕生して以来、食料生産は国内のニーズに応えられていない。 特に、ここ20年間の工業化と不動産業の進展により、耕地の総面積が激減しただけでなく、水質汚染や土壌汚染の影響で、使用可能な耕地面積が激減している。その結果、近年、中国共産党は国内の食料需要を輸入に頼っている。現在、中国が輸入している大豆は世界貿易の約6割を占めており、2020年には中国のトウモロコシの輸入が急増し、大豆の輸入と同様に世界最大のトウモロコシの買い手になると予想されている。
しかし、ドナルド・トランプ大統領が発起した米中貿易戦争は、中国共産党の対米輸出貿易を直撃し、多額の外貨を再び獲得することが難しくなっている。中国国内のエコノミストの計算によると、中国共産党政権の現在の外貨準備高は急落しており、中国国内で必要な食料を購入するのに十分な金額になるかどうかは疑問視されている。このような状況では、中国共産党政権は、これまで気にしたことのない農業に力を入れなければならない。そして、共産党の農相が提案しているように、中国人が中国の食べ物を食べるということは、共産党政権が限られた外貨を食べ物の購入に使わないということを暗示している。
中国の種については、実はもっと深刻な問題がある。中国共産党の権力層は、米国のバイオテクノロジー企業から違法な利益を得ているため、大量の米国産遺伝子組み換え種子の中国市場への参入を許している。しかし、米国産の遺伝子組み換え種子は生産性がない、つまり、遺伝子組み換え種子から収穫された作物は、種子を生産しないあるいは種子を生産しても成長できないということだ。そのため、中国の農家はアメリカのバイオ企業から買った種を一度しか使えない。中国共産党政権は毎年、多額の外貨を使って米国から遺伝子組み換え種子を購入している。外貨準備高が減少している今の時代に、中国共産党政権が十分な種を買うことは不可能だろう。そこで農相が中国の種子を使うことを提案している。つまり、中国共産党政権は、輸入された種子を徐々に中国の種子に置き換えていく計画だ。
古来より中国では 「民は食を以て天と為す」と言われてきた。人々にとって食べ物が如何に大切かという意味である。現在中国が直面している食糧危機を中国共産党政権が解決できるかどうかはわからないが、今後数年の間に中国国民が飢えに苦しまないように願うばかりだ。
(看中国記者・黎宜明/翻訳・北条)