中国で武漢肺炎(新型コロナウイルス感染症、COVID-19)の流行が続いている。中国の公式メディアによると、遼寧省大連市の患者1人と瀋陽市の患者1人が「スーパー・スプレッダー」となり、クラスターを引き起こしたという。
中国の中央テレビ局(CCTV)や中国新聞社によると、遼寧省大連市でクラスターが発生しており、これは金氏という患者が家族の集まりで他11人にウイルスを感染させたことや、自宅の階段や歩道で近所の人に接触したことがきっかけとなっている。2020年1月2日24時現在、金氏に関連する感染者と無症状感染者は累計33件ある。
遼寧省瀋陽市でも同様の現象が起きている。中国国内のメディアによると、1月1日時点で瀋陽市で少なくとも22人が感染しており、2020年12月23日以降に報告された21人の新たな感染者は、最初に確認された感染者である尹氏の接触者であるという。
この公式発表を受けて、多くの人が感染者を非難した。1月4日午前7時現在、ブログ上で4465.8万人が「大連のクラスター」に関連する記事に注目を集め、「瀋陽尹夫人」の話題は更に盛り上がっている。
遼寧省での集団感染と、感染者に対する人々の非難に対し、「世界の十字路」の司会者且つ国際問題担当のシニアエディターでもある唐浩氏は、『看中国』のインタビューで、「中国共産党の最終目標は、人々がお互いのことを憎むように挑発し、民衆同士争わせることで党の権威と地位を維持することだ」と指摘している。
唐浩氏は「スーパー・スプレッダーに関する報道は、昨年のウイルス流行のピーク時にすでに登場している。このような個人を非難する報告は、中国共産党政権が自分たちのウイルス予防の対策不足や、疫病の実態を隠すために使った責任転嫁の道具かもしれない」と述べた。
「結局のところ、ほとんどの患者は診断されるまでウイルスに感染していることを知らないため、他人との接触を避けることは難しい」、とも述べた。 特に、「党が国民を率いてコロナに勝利した」、「国内本土に患者はもういない」という、中国の公式メディアの報道を強く信じている人は正しい判断をすることが難しい。彼らは各地での流行の実態を知らないため、予防や警戒を怠り、ウイルスに感染し、感染を拡大させる結果となってしまうのです。
したがって問題の根本は、中国共産党が工場の再開を促進させて経済発展を保つために、疫病の流行を隠蔽し、嘘偽りの報道で国民に誤解を与え、結果的に疫病流行の危険性を更に高めたことにある、と唐浩氏は考える。そして感染が広がると、中国共産党政権は「個人を非難する」メディア報道を使い、いわゆるスーパー・スプレッダーに責任を転嫁し、国民の注意をそらし、責任から逃れるのだ。
(看中国記者・林小凡/翻訳・神谷一真)