2020年7月1日、香港版「国家安全法」を抗議する香港市民(写真撮影:看中国/龐大偉)

 12月28日、注目を集めた「12人の香港人拘束案件」は、中国・広東省深セン市塩田区人民法院で裁判が始まった。報道によると、同日朝、法廷の外の警備が強化され、装甲車まで出動したという。また、香港ラジオ局のコマーシャルラジオ香港(Commercial Radio Hong Kong)の現地報道によると、同日朝、法廷前には、高さ2メートルのウォータータンクバリケードが設置され、横断歩道が封鎖された。法廷外では公安警察がパトロールし、パトカーと装甲車が距離を置いて警備している。

 「反送中」デモに参加したことがある12人の香港人は8月末、モーターボートに乗り、台湾への越境を試みたが、途上で中国海警局に拿捕され、深セン市塩田区の拘置所に拘置され、外部との連絡が途絶えられた。中国当局は拘束された香港人と親族との連絡を禁止した。

 12月25日、一部の香港人の親族に対し、12月28日午後2時に深セン市塩田区人民法院で、傍聴席を設けないビデオ形式で裁判が行われることが通知された。このような秘密裁判に不満を抱く親族は、裁判の終始を中継し、親族が指定する弁護人や一般市民の傍聴を要求した。

 同案件に対する異議を掲げる市民団体の「save12hkyouths」によると、同団体は27日、多数の国の在広州と在香港領事に公開状を寄せ、裁判の公正さを見届けるよう、傍聴を要請した。うち、アメリカ在広州領事館が他の領事と調整し出席すると返事をしたという。

 海外在住の中国人独立記者の趙思楽氏は9月末、自身のフェースブックで、中国当局がクリスマスホリデー前後に裁判を始めるのは、海外メディアが相次いで休みに入る時期だからという見方を示した。海外メディアのチェックが入らない時期に、重大な政治案件の裁判を行うのが中国共産党当局のやり方なのだ。

(翻訳・常夏)

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