2020年10月上旬に深センで行われたデジタル人民元の第1回目の実証実験に続き、中国中央銀行は12月12日に蘇州市で第2回目の実証実験を行い、12月27日(日)に終了した。実証実験では、オンラインストアでの決済テストに加え、オフラインでの決済機能をもテストした。
中国中央銀行は、2回目のデジタル人民元の実証実験終了
江蘇省蘇州市は12月、公共サービスアプリの抽選で総額2000万元(約3億2000万円)分の200元(約3200円)ずつが入った電子式の「赤い封筒(ご祝儀袋)」を10万枚配布した。 消費者は、実証実験プランに含まれる店舗で使うことができるようになった。
蘇州市の実証実験は、12月12日のショッピングフェスティバル「ダブル12」に始まり、12月27日(日)に終了した。
10月8日、中国中央銀行は深センで初のデジタル人民元の実証実験を実施した。 ウォールストリート・ジャーナル紙は12月28日、蘇州市で2回目のデジタル人民元の実証実験が行われたことは、中央銀行が間もなく通貨として正式に使用する可能性があることを意味していると報じた。
蘇州市はデジタル人民元の実証実験に指定された4都市のうちの1つである。これに加えて、中央銀行は、四川省成都市、河北省雄安市、及び2022年冬季五輪会場でデジタル人民元の実証実験を行う予定だ。
政府は、より包括的な取引データ獲得できる
今回の蘇州市での実証実験では、オンラインストアでのデジタル人民元の決済機能だけでなく、オフラインでのデジタル人民元の決済機能も実証実験する範囲を拡大した。
公式の中国共産党のプロパガンダによると、このオフラインの支払機能は、デジタル人民元のプラットホームと中国の他の電子決済サービスを区別するものとなるかもしれないという。
ワシントンに拠点を置くシンクタンク、ピーターソン国際経済研究所のマーティン・チョルゼンパ研究員は、中国中央銀行がデジタル人民元を打ち出したのは、「経済の金融フローをよりリアルタイムに見ることで、より良いマクロターゲティング施策を可能にするためだ」と述べた。
中国共産党幹部はまた、デジタル人民元が広く使われれば、規制当局に資本の流れに関するより多くの情報を提供し、当局がマネーロンダリングやテロリストの資金調達活動を追跡するのを助けることができると述べた。
アナリストはまた、デジタル人民元は、中央銀行が極端な経済状況で現金に対してマイナス金利を実施させることを可能にし、人々の支出を促すことができると予測した。
中央銀行は公私ともにいくつかの地域で実証実験を行っていたが、デジタル人民元が正式に使用されるまでのタイムラインは示されていない。
(翻訳・徳永木里子)
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