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 2020年末の鉄鋼、アルミ、銅などの値上げが、中国企業の受注や利益に顕著な影響を与えている。 中国江蘇省昆山市の金型会社のオーナーは、商品価格の高騰で工場の受注が約20%減少したと語った。

 2020年末に向けて、国際市場と中国国内市場で原材料の値上げの波が押し寄せた。

 S&Pグローバル・プラッツによると、鉄鉱石価格は12月21日(月)に1トン当たり176.90ドル(約1万8318円)と7.8%上昇し、2011年9月以来の高水準となり、年初のほぼ2倍の水準となった。

 鉄鋼の主要原料である鉄鉱石は、世界で最も取引されている商品の一つであり、2020年には最も収益性の高い資産の一つとなっている。 現在の鉄鉱石価格は、2011年2月の全期間の最高値である1トン当たり193ドル(約1万9985円)から10%弱下がっている。

 12月21日に中国鉄鋼ネットワークからの統計によると、41の製鉄所は最近、すべての鉄鋼価格を値上げ、1トン当たり最大500元(約7931円)で上昇した。

 鉄鋼価格の上昇に加えて、非鉄金属の価格上昇も無視できない。中国国家局の2020年12月上旬に重要な生産材料の市場価格変化に関する統計データによると、電解銅、アルミニウムインゴットは、11月下旬と比べて、3.6%、2.8%それぞれ価格上昇を示した。

 『21世紀ビジネスヘラルド』12月23日の報道によると、昆山通順茂金型有限会社の社長・劉松は、鉄鋼、アルミニウムなどの原材料が工場のコストの30%から50%まで占めていると述べた。 そして今回の値上げで工場の受注は20%ほど減った。

 劉松はまた、「その前に我々の注文はまだ維持することができますが、最近の材料価格の上昇は、注文不足を招きました。 注文が追いつかなければ、来月から利益ゼロ、あるいは赤字が出ると予想されています」と言った。

 上海の建設機械工場の所有者も、原材料の値上げは、建設機械工場の間に価格競争に依存した注文の圧力がますます大きくなると述べた。

 中国の多くの中小建設機械工場は、約20%の粗利益を維持していた。原材料価格の上昇の影響で、2つの選択肢しかない。価格の上昇に従い注文を縮小するか、または値上げしないが、利益は減少する。

(翻訳・徳永木里子)