2006年4月20日、ホワイトハウス前の集会で中国での強制臓器収奪を公表する証言者。(中国臓器収奪リサーチセンターのホームページより)

 最近、フランスの60人以上の議員が、中国の死刑囚から臓器を採取している可能性がある問題について、改めて疑問を呈している。フランスのメディアは、中国共産党の残酷な弾圧体制の下で、事前の同意なしに囚人から臓器を摘出するなど、グレーゾーンが多いと指摘した。北京が禁止令があると主張しているにもかかわらず、中国の公立・私立病院では大量に人体臓器移植手術が行われているのを見れば、人体器官のあまりにも整った予備入手の可能性の高さや、移植のスピードがすべての記録を更新しており、疑問を呈している。

 フランスのル・モンド紙の報道によると、アムネスティ・インターナショナルの東アジア・東南アジア地域担当副主任である羅助華氏は、中国の臓器移植業界において長期にわたり透明度の問題が存在していると述べた。まず、中国の死刑囚のデータは秘密にされており、非政府組織(NGO)は公開された資料に基づいて、毎年中国では約1000人が死刑に処されていると推定している。中国共産党によって禁止されている法輪功グループは、北京当局が投獄された学習者から臓器を採取していることを長年にわたって暴露してきた。

 また、ウイグル人への大量迫害、大量強制収容、投獄などにより、臓器摘出の標的にされているのではないかとNGOが危惧している。

 2019年、フランス生物医学局が実施した190の透析・移植センターの調査結果では、移植のうち24件が外国で行われていることが明らかになった。2004年に中国で唯一ひとりのフランス人が移植を受けた。しかし、フランスと中国の医療協力はこの分野にとどまらず、医療研修や研修医の受け入れ、及び病院双方での共同研究なども展開している。

 フランスのパリ公立病院グループの国際関係部のウェイバー主任は、2010年にフランス保健省の主導のもと、中仏両国の医療機関がパートナーシップを結んだが、この医療協力は現在は停滞状態にあるようだという。

 ウェーバー氏は、パリの公立病院グループが中国(中国共産党)との関係に慎重であることを強調した。「2013年に国際関係部が設立されて以来、私たちは人体臓器移植の分野で中国のチームとは絶対に仕事をしないと決めていた。2015年、中国共産党は囚人からの臓器採取を禁止する法律を可決したが、この問題には引き続き警戒している。いずれにしても、私たちは、中国の病院が私たちに言ったことに対して、確認も検証もできない。」

 人体臓器提供に関しては、中国とフランスの関連法にも大きな違いがあり、フランスでは臓器の供給源が不足しており、移植の平均待ち時間は約3年くらいで、15~30%の患者が移植前に死亡してしまう。 中国の状況は逆で、人体器官の採取が工業的で、非常に儲かるビジネスになっている。中国衛生部が臓器移植可能と確認した146の病院では、臓器移植の平均待ち時間は約12日しかない。そのため、提供された臓器の由来や提供者の真意に疑問がある。

 フランスとEUには、臓器売買を隠ぺいした政府に対する制裁を可能にする具体的なメカニズムがないため、フランスの国会議員は、フランスと中国の保健機関間の科学的協力に注目したいと望んでいる。

 移植ツーリズムを考える会のウェブサイトで、「収奪された臓器を使用する疑いがある医師のリスト 」の最新情報を見ることができる。

(翻訳・藍彧)