最近、新疆ウイグル自治区、天津市、上海市、安徽省、内モンゴル自治区で新型コロナウイルス感染症(武漢肺炎、COVID-19)が発生したことを受けて、当局は責任を回避し、2つの感染源はそれぞれ北米の豚頭とドイツの豚足であると主張した。
中国国内メディアによると、天津市のある団地ではこのほど、8人の感染者が確認されたという。調査の結果、団地の最初の感染者がマスクをせずにエレベーターに乗った後、咳やくしゃみをしてエレベーター内の環境を汚染し、最終的に団地全体にウイルスを拡散させていたことが判明した。天津市疾病管理予防センターは、団地の当該患者は冷凍食品の運搬に従事しており、ドイツ産豚足を扱うことで感染したという。もう一つの感染源は北米からの輸入豚頭から来ていると主張した。
天津での疫病が拡大する可能性があるため、天津濱海空港では24日、半数近くの航空便が欠航した。また、上海浦東国際空港では9日以降、少なくとも7人の感染者が確認された。近日上海で確認された感染者はいずれも同空港と関係している。
中国国家衛生健康委員会の米鋒報道官は11月25日、中国では過去30日間に少なくとも98人が新型コロナウイルスに感染しており、30日前と比べて7.5倍に増加したと明らかにした。
世間では、疫病は中国各地で収まったことがないと考えており、地方政府が隠しきれない時に、数件の確認症例を報告するだけで、すべての感染源は輸入冷凍食品が原因であるとされている。北京市で6月に疫病が発生した時、公式発表は輸入サーモンが感染源と主張した。深セン市で8月に確認された時はブラジル産冷凍手羽先が感染源であると、青島市では10月の感染源は冷凍タラ、天津市での11月の感染源はドイツ産冷凍豚足と北米産豚頭であると公式が主張した。
中国当局の告発に対して、ドイツ農務省は、ドイツ北西部の都市ブレーメンから中国に輸出された冷凍豚足が疫病を引き起こす可能性はないと表明した。ドイツのブレーメン大学のウイルス学者も、それは起こり得ないことだと述べた。
世界貿易機関(WTO)の関係者は11月6日、中国が輸入食品に検査を課す慣行は科学的根拠がなく、「不合理な貿易制限」に当たると指摘した。さらに、世界保健機関(WHO)はこれまでのところ、冷凍食品やその包装との接触によって人間が新型コロナウイルスに感染するという証拠は全くないと述べている。
そのため、中国共産党は一貫して感染状況を隠蔽し、感染源は海外からだと言い続けてきた。中国全土で感染状況の真実を把握することは困難だと広く信じられている。
(看中国記者・黎小葵/翻訳・玉竹)