「中国人民大学重陽研究員」と自称する李毅氏(イメージ:ツイッター動画のスクリーンショット)

 先日、「中国人民大学重陽研究員」と自称する李毅氏は中共ウイルス(新型コロナウイルス、SARS-CoV-2)の流行中に、「中国の14億人のうち4千人が死亡しても、実際に死亡した人がいないに等しい」との発言が、中国ネットユーザーの怒りを買った。中国人民大学は、李毅氏が同大学の研究員ではないという声明を発表した。

 「渡米社会学者」「人民大学重陽研究員」と自称していた李毅氏は、中華民国(台湾)の武力統一を繰り返し吹聴し、台湾に強制送還されたこともあったという。10月16日に「深セン湾での対話フォーラム」におけるスピーチの動画が先日、ツイッターで配信された。動画では、「新型コロナウイルスはヨーロッパと米国に最も不利で、中国と朝鮮に最も有利である。なぜなら、中国の14億人のうち4千人しか死んでいないのに対し、米国は22万人も死亡したのと比べれば、ほとんどがかかっていない、死んでいないに等しい」と述べた。

 この発言は複数のメディアに報道され、中国のネットユーザーの反感を買い、冷血で非人道的だと批判された。

 11月23日、中国人民大学重陽金融研究院のウィーチャット(WeChat)公式サイトは、「最近、李氏と名乗る人物が『台湾』や『疫病予防』などの問題について繰り返し意見を述べており、世間の注目を集めている。同氏の履歴書には『人民大学重陽研究員』と書かれているが、我々(中国人民大学重陽金融研究院)は事実ではないと繰り返し否定した。今、再度声明する。人民大学重陽研究院には李毅という研究員がいない」という声明を発表した。

 これに対し、李毅氏は11月24日、同WeChat公式サイトで、2014年から2017年まで重陽金融研究院の研究員を務めていたことを示す「在職証明」の写真を公開した。

 中国人民大学重陽金融研究院は24日、さらなる対応をしていない。

(翻訳・藍彧)