グーグルが中国当局の言論統制に対応した検索チエンジンを開発したと関係者がリークした((画像:pixabay / CC0 1.0))
米グーグルが中国市場でサービスを再開するため、特殊な検索エンジンを計画していると米メディアが1日に報じた。「Dragonfly」と呼ばれるプロトタイプはすでに中国の審査を受けており、政府の言論統制や検閲に対応できる能力を備えているという。
コードネーム「Dragonfly」
米メディア『The Intercept』にリークされた情報によると、コードネーム「Dragonfly」というプロジェクトが、2017年春ごろから進行している。
リークした人物は「大企業と政府が人々の弾圧に協力していることに反対しており、公共性と透明性に利益があると考えている」と述べた。プロジェクトはほんの数人の高級経営幹部とマネージャーにより展開しているという。
2017年12月、グーグルの最高経営責任者のサンダー・ピチャイ氏が中国政府の高官と会談後、「Dragonfly」の研究開発が加速的に進み、中国政府はすでにグーグルが提供したプロトタイプの検索エンジンを受け取っている。
グーグルの検索部門責任者・ベン・ゴメス氏は、中国政府の審査が通った後、短期間でリリースできるよう部下を配置して準備を整えているという。
ブルームバーグなどの問い合わせに対し、グーグルは8月1日、電子メールを通じて1通の声明を発表した。
「私たちは、グーグル翻訳やFiles Goなど、中国で多くのモバイルアプリを提供し、中国の開発者を支援し、JD.comなどの中国企業に多額の投資を行ってきた。しかし、将来の計画についての憶測にはコメントしない」
一方、グーグルが中国市場から撤退して最も利益を得た百度(バイドゥ)の株価は、Dragonflyの情報が報じられた後、3%下落した。
再び中国市場を狙うグーグル
2010年、グーグルは中国政府の厳しいインターネット制度や審査などから、中国本土でのサーチエンジン業務から徹底的に撤退した。グーグルメール、グーグルプレイ、多くのサービスが中国本土と遮断された。
2015年、グーグルの持株会社アルファベットの設立に伴いサンダー・ピチャイ氏がグーグルの最高経営責任者に任命された。
2017年、サンダー・ピチャイ氏が中国政府の高官と会談後、中国で翻訳と人工知能の研究所がを立ち上げられ、中国語版FilesGoをリリースした。
アナリストの潘嘉偉氏は、「グーグルが中国に進出した場合、恐ろしい前例を作ることになります。世界最大のサーチエンジンが中国に服従することは、中国共産党政権にとって一つの勝利になります」と語った。
(翻訳編集・吉村 作驕)