11月17日、フェイスブックとツイッター最高経営責任者(CEO)マーク・ザッカーバーグ氏とジャック・ドーシー氏は上院司法委員会の公聴会に出頭し、大統領選挙に関連した同社の行動を説明した。会議に出席した両党の米上院議員は、憲法第230条を改正すべきだとの意見で一致した。
フェイスブックは独自の立場があるから、第230条免除の対象にはならない
大統領選の数週間前、フェイスブックとツイッターは、民主党候補バイデン一家が海外で違法な取引をしているというニューヨークポストの記事をブロックした。選挙後、この二つのソーシャルメディア大手は、トランプ氏と彼の支持者による選挙結果の正当性を疑問視する投稿を検閲し、「誤解を招く」とタグ付けることで、多くの反感を買った。
選挙日の3日前には、ニュージャージー州のトランプファンによるフェイスブックグループ「New Jersey Women for Trump(NJWT)」が理由もなく削除されていた。同グループは約2万9000人で構成されており、全員が積極的にトランプ氏を支持していた。トランプ大統領の問責を受けて、フェイスブックはすぐに同グループアカウントを復活したが、削除の理由を明かさず、「実行ミス」だけと述べていた。
11月12日、フェイスブックは「Stop the Steal」のグループアカウントを削除した。当時、同グループは35万人以上の会員を集め、不正選挙疑惑について議論したり、トランプ氏を支持するために全米でデモを計画したりしていた。
米議会の公聴会で、フェイスブックのCEOマーク・ザッカーバーグ氏は、民主党のダイアン・ファインスタイン上院議員の質問に答えるとき、「トランプ氏の支持者が暴力につながる可能性のあるイベントを組織するのを止めることは、フェイスブックの優先事項の1つである 」と主張した。しかし、「ブラック・ライブズ・マター(BLM)」や「アンティファ」の暴力行為を阻止するかについては言及されていなかった。
複数のメディアの報道によると、ここ数日、トランプ大統領の支持者による数々の活動から見れば、平和的な抗議活動であり、暴力は発生していない。それどころか、フェイスブックやツイッターでも高い評価を得ている。むしろ「BLM」や「アンティファ」のメンバーによる平和的なデモ隊への暴力的な攻撃があった。
ツイッターは自らの主張があるから、230条で保護されるべからず
共和党上院議員テッド・クルーズ氏は、ツイッターのCEOドーシー氏に「なぜツイッターは今、有権者の不正行為に関するほぼすべての発言に、いわゆる警告タグを付けているのか」と質問した。
ドーシー氏は「われわれはより広い会話につなげて、人々がより多くの情報が得られるようにするだけだ」と答えた。
この回答を聞いたクルーズ上院議員はすぐに「いや、そうじゃないだろう」と強く批判した。
「ツイッターは『米国ではあらゆる形式の選挙における不正行為は極めて稀である 』と書かれたページを公開していたね。 これは、より広い議論につなげようとすることとは何の関係もなく、論争の的になっている政策についての立場を表明することだ。
そんなことをすると、出版社と変わらない。独自の方針や立場を持つのは構わないが、出版社ではないふりをして、230条の規定にあるような特権を享受することはできない」
ハーバード大学の法学部を卒業し、テキサス州の司法長官を務めたクルーズ氏は、ツイッターが今やっていることは、出版社がやっていることの典型だと辛辣に指摘した。
第230条改正への両党支持
司法委員会のリンゼー・グラム委員長は、フェイスブックとツイッター両社は、保守派や右寄りの人々に偏見を持っていると述べた。同氏は、通信品位法(CDA)第230条の改革を提案した。
第230条では、インターネット・ソーシャルメディア・プラットフォームは公開プラットフォームを提供し、出版社ではなく、第三者のユーザーが投稿した言論の内容について責任を負わないとしている。しかし、今日、より重要で尚且つ物議を醸しているのは、同条例はインターネット・プラットフォームが「善意の理由」で攻撃的なコンテンツをブロックしたり、非表示したりすることもできるようにさせたことである。これが米国のソーシャルメディア・プラットフォームやオンライン・フォーラムが好き勝手できる法的根拠となっているのだ。
グラム氏は「共和党員も民主党員も、ソーシャルメディアがその権力を使って、私たちが何を見てもいいか、何を見てはいけないか、何が真実で何がそうではないのかを、私たちの代わりに決めようとしていることを懸念している」と述べた。
民主党の上院議員リチャード・ブルーメンソール氏は「これから変化することは間違いない。まもなく変化する。私が第230条に重要かつ明確な改革をもたらす」と述べた。
(翻訳・北条)