10月27日と28日、新彊ウイグル自治区カザフ族の2人がカザフスタンの難民庇護を受けた。これは一か月のうち、2回目である。難民となったウイグル人がメディアに対し、自ら見聞きしたことを話した。
イリ・カザフ自治州のカイシャさんは2018年5月7日にカザフスタンに逃れた。彼女はラジオ・フリー・アジアのインタビューを受け、2018年5月4日に警察に呼ばれて遭遇した出来事を話した。
カイシャさんによると、警察署で上着を脱がされて「老虎凳(注)」に7時間以上縛りつけられ、胸と背中に電撃ショックを与えられた。彼女は拷問に耐えられず、押し付けられた罪名をやむを得なく認めた。
さらに、カイシャさんの隣人は「強制労働収容所」に入れさせられた後、強姦により懐妊した。収容所を出て妊娠中絶手術を行った後、また入れさせられて、音信不通になったという。
ラジオ・フリー・アジアによると、今カザフスタンに住んでいるアリア・ベクスリダンさんは、お兄さんが2018年2月6日に警察に逮捕され、弁護士がいない状況下で15年の刑を下されたと明かした。
10月16日、カザフスタンは中国から逃れたカザフ人に初めての難民ビザを発給した。カザフスタン人権組織の創設者サイアカジさんは「これはカザフスタンが新疆にある強制労働収容所の存在を初めて認めたことになる」と話した。
たった一か月のうち、カザフスタン政府が2度も中国から逃れたウイグル人に難民ビザを与えたことに対し、カザフスタンの学者ライスカン氏はラジオ・フリー・アジアとのインタビューで「これは中国の新疆には人権危機が存在し、中国共産党がウイグル人に対し集団虐殺政策を実施していることを、カザフスタン政府が正式に認めたことを意味する」と述べた。
現在、米国およびカナダはすでに中国共産党のウイグル人への迫害を「集団虐殺罪」だと認定する議案書を国会に提出した。許可されれば、迫害に関与した中国の官員は国際刑事法廷の審判を受けることになる。
注:中国の拷問。細長い腰掛けに両足を伸ばして座らせ、膝を縄で固く縛りつけてから、足首の下にレンガを積んでいく。
(翻訳・北条)