中国の通信機器大手、ファーウェイ(華為、Huawei)に対する米国のチップ禁止令が先日施行された。ファーウェイ最高経営責任者(CEO)任正非氏は最近の講演で、ファーウェイの現在の困難は設計された先進的なチップが中国国内の工場で作れないと述べた。
10月27日のファーウェイスタッフフォーラムによると、任正非氏は9月14日から18日まで北京大学、清華大学、中国科学院を訪問し、研究者や学生との懇談会で講演を行ったという。
任氏は「現在ファーウェイが直面している困難は、企業の発展戦略の間違いではなく、ファーウェイの設計した先進的なチップが、中国の工場でまだ製造できないことだ。製品の設計とチップの製造を同時に行うことは不可能だ」と述べた。
任氏は、「国家は応用に密接な関係がある研究を重視するだけでなく、応用を目的としない基礎研究も重視しなければならない。そうでなければ、我々は高度な技術を発展させることができない」という考えを示した。
彼は「中国の科学研究の現状は第二次世界大戦前の米国に似ており、米国は製造業では世界をリードしていたが、基礎研究と基礎教育を重視せず、欧州の基礎研究の成果に全面的に依存していた。第二次世界大戦が終わる前に、応用を目的としない基礎研究が重視するようになり、米国はそれ以来、科学と技術で世界をリードしている」と述べた。
任氏はまた、現在の中国の教育システムは活力を欠き、人材を輩出するのは容易ではないとして、政府は教育を改革し、少数の優秀な学生を能力に応じて指導することを支援すべきだと提唱した。
米国のファーウェイ禁止令は9月15日に発効し、米国のソフトウェアや技術を使用しているメーカーは、米国政府の許可を得ていない限り、ファーウェイへの供給を停止しなければならない。アナリストは、ファーウェイは海外から中国でまだ製造できない携帯電話のチップを入手できず、ファーウェイの携帯電話事業に深刻な打撃になると考えている。
(翻訳・藍彧)