習近平総書記は先日、抗米援朝70周年記念大会で米国を繰り返し批判し、中国側はあらゆる勢力による祖国の領土侵犯や分裂を許さないとし、「真っ向から攻撃する」と強弁した。 これに対して、時事評論家の沈舟氏は、「中国共産党政権は清朝よりもはるかに腐敗しており、権威主義的である」とし、「中国軍は実際にはあまり力を持っていない」と指摘した。
中国の公式メディアの報道によると、習近平は抗米援朝70周年記念大会で、「抗米援朝戦争に勝利したことで、中国人民が自ら組織化した戦力を世界に知らしめ、彼らを挑発したら手に負えない」と反米精神を高らかに誇張した。また、抗米援朝は「米軍の無敵神話を打ち破った」と自画自賛した。
しかし、時事評論家の沈舟氏は、習近平が重要な要因を見落としていると指摘する。当時の中国共産党の240万軍人は33万未満の米軍と対戦していた。中国共産党は人海戦術を使い、将兵の生死を全く気にしていなかった。もともと朝鮮半島を統一し、制御したかったが、最終的には、もはや38度線を越えることさえできなかった。
彼の見解では、現在中国軍と米軍との戦いは、依然として将兵の生死を全く顧みずとも、人海戦術は実際のところ使えず、考えられる戦争の形態は海戦と空戦が中心になるという。100年以上前の日中戦争を思い出さずにはいられない。このままでは、歴史の過ちを繰り返すことになりそうだ。
沈舟の分析によると、日清戦争は屈辱的な戦いであり、清朝が没落した時に、実力が悪いと知りながらも、依然として強国を自任したため、間違った戦争に陥り清朝の衰退を加速させた。 「今日の共産党政権は、清よりはるかに腐敗していっそう権威主義的だ」
彼は、100年以上前の清朝に比べて、中国共産党の軍事力は実は強くないという。今まで、中国の近代史上で最大の海戦は依然として日清戦争である。
1950年から1953年まで、中共陸軍は朝鮮戦争で朝鮮半島を統一しようとしたが、米軍と国連軍に阻止された。1962年、インドとの戦いで勝利したが、自主的に撤退した。1979年の中越戦争(※)で大きな損失を受け、実質的な利益は得られなかった。
沈舟は、これらの3つの戦争はいずれも国益に動機づけられたものではないが、今日、中国共産党の未熟な海軍と空軍は、1世紀前よりも非論理的な試みを熱望している。
※中越戦争:中華人民共和国とベトナム社会主義共和国の間で、1979年に行われた戦争である。
(翻訳・藍彧)