(イメージ:YouTubeスクリーンショット)

 先日、中国共産党の習近平総書記は朝鮮戦争の記念式典で、「中国人を挑発したら手に負えなくなる」と発言した。米国に対する強い警告とも言えるこの発言だが、中国人ネットユーザーの嘲笑の対象となっている。

 北京当局は10月23日午前、朝鮮戦争の勝利を記念する「抗米援朝」70周年記念大会を開催し、習近平総書記が演説した。習近平は、抗米援朝戦争に勝利したことで、中国人民が自ら組織化したことを世界に知らしめ、彼らを挑発してはいけない、挑発すれば手に負えないと述べた。そして、「中国軍と北朝鮮軍は、先進的な武器を持つアメリカ軍の無敵神話を打ち破り、傲慢な侵略者を1953年7月27日に休戦協定に署名させた」と強調した。

 中国共産党は抗米援朝を利用して、反米精神をますますエスカレートさせている。中国のテレビ局は10月中旬から、中国共産党中央軍事委員会の承認を得たドキュメンタリー「抗米援朝」を6話連続で放送した。10月19日には中国共産党幹部が朝鮮戦争70周年を記念して軍事博物館を見学する際、習近平が「すべての強大な敵を倒す 」という演説を行った。

 しかし、中国共産党の朝鮮戦争に関する記述は、明らかに歴史の真実に反する。ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)の報道によると、中国共産党は一貫して朝鮮戦争を「中国人民義勇軍」と朝鮮人民軍が共に米帝国主義の侵略軍を撃破して勝利した戦争として描いてきた。しかし、朝鮮戦争は米国が始めたものではなく、金日成がスターリンの指揮下で韓国に侵攻し、中国共産党が全面的に参加した侵略戦争である。当時、中国共産党は数百万人の軍隊を出動し、20万人近くの中国人が戦死、数万人が捕虜となった。そして、中国共産党があえて触れなかった敵方は、実はアメリカを含む22カ国からなる国連軍だった。

 また、習近平の最新演説は、再び中国共産党と中国国民を強引に結びつけるものだった。習近平は9月3日の演説で、「あらゆる人物や勢力が中国共産党と中国国民を分裂・対立させようとしても、中国国民は決して承諾しない」を含む5つの「中国国民は決して承諾しないこと」を強調した。 当時、多くのネットユーザーは、中国共産党が再び中国国民を勝手に代表して発言しているのではないかと疑問視していた。

 海外のソーシャルメディアは、習近平の「中国国民を挑発してはいけない」という発言を嘲笑した。

 「清王朝末期の西太后も清王朝には挑発してはいけないと言っていた」

 「怒らせたら、手に負えない?これはやくざの言葉だ」

 「月収1000元の6億人を犠牲にする」

 「無辜の国民を死なせるために朝鮮に送り込んだ、恥知らずだ」

 「国家主席としても歴史を正しく見られず、作り話に騙されている」

(看中国記者・林中宇/翻訳・藍彧)