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 10月20日、米司法省と11の州は、グーグル(Google)が反トラスト法(独占禁止法)に違反したとして連邦地裁に提訴した。訴状では、グーグルがインターネット事業やオンライン広告事業における市場支配力を利用し、競合他社を不当に排除していると指摘されている。

 米司法省は、グーグルが長年にわたり様々な独占的契約を締結し、潜在的な競争相手を阻害するなど独占禁止法に抵触する行為を行ってきたと指摘。そのため、アメリカの消費者はグーグル社のポリシーや個人データの使用に同意せざるを得ない状態だったと主張した。

 また、「グーグル」をデフォルトの検索エンジンとして採用してもらえるようにするため、グーグルはスマートフォーンメーカーに毎年数十億ドル(数千億円)支払ってきたと訴えられている。グークルは現在、米国の検索エンジンのシェア率90%、モバイルユーザーののシェア率95%を占めるに至っている。

 上下両院の議員は司法部の提訴に支持を示した。上院のジョシュ・ホーリー議員は「この提訴は今世紀における最も重要な反トラスト法訴訟である。グーグルやその他の巨大IT企業が一般米国人の生活をコントロールしており、グーグルは違法的な手段でその権力を維持している」と述べた。

 下院反トラスト法委員会会長のデイビッド・シシリーニ氏は「今回の司法省による提訴は、グーグルの検索と検索広告に対する独占に焦点を当てるとともに、地図、ブラウザ、動画と音声アシスタントなどの領域にその独占的支配力を広げていることをターゲットにすべきだ」と述べた。

 グーグルはFOXニュースを通して「今回の司法部の提訴には深刻な欠陥がある。人々がグーグルを使用するのは自らの選択であり、強制され、あるいは代替手段が見つからなかったからではない」と反論している。

 司法省とともに提訴した11の州は全て共和党が優位を占める州であり、今後数週間でさらに7つの州が提訴に加わる可能性がある。これは近年稀に見る規模の独占禁止法違反訴訟であり、グーグルが直面してきた最も大きな法的挑戦でもある。今後、アップル、アマゾン、フェイスブックも同様の危機に直面するかもしれない。

(看中国記者・肖然/翻訳・北条)