ハンター・バイデン(イメージ:Wikimedia Commons / Center for Strategic & International Studies / CC BY

 最近、米民主党大統領候補バイデンの息子ハンター・バイデンと中国共産党との取引をめぐるスキャンダルが相次いで暴露されている。香港メディアの「アップル・デイリー」台湾版の調査によると、バイデンの息子ハンターと中国共産党との主な連絡相手は台湾の実業家林俊良(Michael Lin、現在57歳)だ。中でもハンターが関与した米国の大規模な対中投資には、当時国家副主席であった習近平が署名していたことが判明した。

 公的記録によると、ハンターは父バイデンが副大統領を務めていた間、少なくとも6回の中国訪問を行っている。アップル・デイリーの報道によると、2010年に林俊良がハンターの初の中国訪問を推進し、3日間の日程で、多数の中国金融機関の高官との会合を手配し、その多くがハンターの中国での事業発展のパートナーになったという。

 2012年、ハンターは中国国有企業との提携を達成した。そのコンサルタント会社であるセネカ・グローバル・アドバイザーズ(Seneca Global Advisors)は、当時としては最大規模の米中外資投資取引である12.5億ドル、及び4,200万ドルの株式投資を達成させ、中国の習近平副主席(当時)が中国を代表してロサンゼルスを訪問して取引に署名した

 2013年、林俊良はハンターに協力して中国政府との合弁会社、「渤海華美(上海)股権投資基金管理有限公司(BHR Partners、略称:渤海華美)」を設立し、中国共産党国務院の承認を得て、ハンターは2015年まで取締役を務めた

 林俊良がリードして設立した「渤海華美」の資産は25億ドルに達し、現在も稼働中である。ハンターは現在も傘下の投資会社スカニートレスLLC(Skaneateeles LLC)と桑頓集團(Thornton Group)を通じて同社の株を保有している。

 2017年、林俊良はバイデンのアメリカでの公開イベント「アメリカン・プロミス・ツアー(American Promise Tour)」に姿を現し、バイデンと握手を交わした写真を撮り、写真が後に林俊良の個人的なLinkedInページに掲載された。

 情報筋によると、林俊良はハンターのビジネスのために、仲介人として活躍する間、バイデン副大統領の息子とのコネクションを利用した看板を掲げて顕著な成果を収め、未だにバイデン家とのつながりを持っていることをアップル・デイリーに語った。

 林俊良はハンターの中国進出を手伝いながら、台湾での資金調達にも協力した。2011年4月に、ハンターは不動産ファンド会社のローズモント・キャピタル(Rosemont Capital)のシニアコンサルタントとして台湾を訪れ、国民党の背景を持つ工商研究会との夕食会を開催した。林俊良は夕食会の進行役を務め、米国の立法指導者基金会(SLLF)のアジア支部会長として参加した。SLLFは林俊良が中国共産党とハンターなど米国高官の子供たちとの間に連絡を取るためのジャンプボードである。

 しかし、ハンターはこの後、台湾には投資せず、中国共産党との連携に専念し、林俊良はハンターの中国業務での主な補佐役となっていた。

 アップル・デイリーによると、林俊良は米国のイェール大学で管理学の修士号を取得し、そのコネクションを用いてハンターなど米国高官の子供たちと関係を築き、SLLF組織の中で地位を確保したという。林俊良は近年、台湾にはめったに姿を現れず、主に中国大陸で活動している。

 現在、林俊良の多くの中国や台湾の携帯番号は停止か、電源が入っていない状態で、メールの返信もしていない。情報筋によると、資産問題で訴訟されたため、中国政府から出国を制限された可能性があり、現在は北京におり、台湾に戻ることができない状態になっているという。

 アップル・デイリーは、林俊良の義理の弟である段さんに連絡が取れたが、彼は「林さんとはもう一年ぐらい連絡していないので、連絡先もよく分からない。中国にいるかどうかもわからない」と述べた。

 林俊良がLinkedInに投稿した情報によると、彼の最新の事業は、昨年末に香港で中国の投資会社、大学や医療機関と提携して設立した「海昇医療集団」であり、同グループのウェブサイトやFacebookページで新型コロナウイルスの流行について多くの情報を共有しているという。

(翻訳・藍彧)

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